とにかく、見て下さい

こんにちは、タロット占い師・守田のり子です。

先日、岩崎靖子監督のドキュメンタリー映画
「僕のうしろに道はできる」の
関西初上映会イベントに参加してきました。

この映画の内容を言葉で書いても、
絶対に伝わらないという確信があるので、
内容については書きません。
とにかく、見て下さい。

ここでは、この映画を見て、
元・医療関係者として、もの凄いショックを受けた
自分自身の事を書きます。

私は昔、臨床検査技師でした。
500床以上を有する、かなり大規模な
公立病院で働いていました。

毎日毎日、大量の検体を検査するうちに、
患者さんの体の一部であるはずの血液や尿を、
私は、単なる『モノ』にしか感じなくなっていきました。

そうして長く病院で勤めている間に、
時には、患者さん自身に対しても、
まるで、感情の無い『モノ』かのように
接していた時もあったと思います。

例えば、心電図や超音波検査など
生身の患者さんに対して検査する時、
検査されている患者さんが、
“今どんな気持ちでおられるか”
など、まったく眼中にありませんでした。

いかに早く正確に検査を終わらせるか、が
私にとって、一番大事なことになっていたのです。

今振り返れば、医療人としてお恥ずかしい限りです。

今、自分が患者の立場となり、
病院で検査や治療を受けている時などに、
「あぁ、モノ扱いされているな」と感じることが
時々あります。
“痛い”、“苦しい”、“恥ずかしい”というこちらの
気持ちはお構いなし

もしかしたら、私以外の医療関係者でも、
昔の私と同じような方が多いのかもしれません。

意識があり、自分で動いている
患者さんに対してさえそうなのですから、
意識のない、いわゆる『植物状態』といわれる
患者さんについては、更に心配りが
出来ていないのではないでしょうか。

医療教育の場で、私は、
『植物状態』と呼ばれる意識障害を持つ患者さんには
体感覚だけでなく、痛みや意識も“ないもの”だと
教えられてきました。

でも、そうじゃなかった。

この映画を見て、
これまで当たり前だと思っていた、
自分の常識が崩れ去りました。

映画や講演会での紹介によると、
多くの、意識障害と診断された患者さんは、
全く動けない間も、意識があるのだそうです。

『植物状態』と言われる当人にとってみれば、
意識があり、感情があり、
自分の状況に気が付いているのに、
それを表現することが出来ない。

周囲から
“何も感じていない”“何も分かっていない”と
思われているという事態は、
どれだけ恐ろしいことでしょうか。

命を維持するための栄養や水は、
チューブから、直接、胃に送られているけど、
物凄く喉が渇いていても、それを伝えるすべもなく、
指一本も動かせず、水一滴さえ、自分の口から飲めない。
身体が痛くて寝ている向きを変えて欲しくても、
伝えるすべがない。
感謝の気持ちを伝えたくても、方法がない。

そういう状態が、人によっては何年も続くのです。

自分で死ぬことすら出来ない状態。
誰にも自分に意識がある事を分かってもらえず、
何年も、何十年も、ただただ、
時間が過ぎるのを待つしかない状態。

それは本当の地獄やと思いました。

でも、医者を始めとする、
医療関係者はそのことを知らない。
“知らない”事で、
意識障害の患者さんをそのままにしている。

この映画は、
そこから回復する方法を教えてくれます。
植物状態の患者さんが目覚めることは、
『奇跡』でも何でもなく、やれば出来る事なのです。

「寝たきり」というのは、
「寝かせたまま」にしておくことで
つくられるものだそうです。

意識が無いから、体が動かないからと、
ベッドに寝かせたままにしておくと、
本当に寝たきりになったしまう。

たとえ意識がないように見えても、
座らせる事、身体を起こすことが、
とても重要なことだそうです。
背骨に頭の重さがかかる事が刺激となり、
回復につながるようなのです。

以前の記事「SWITCH(遺伝子が目覚める瞬間)」
にも書きましたが、
人間が生涯で使う脳の領域は、数パーセントだと
遺伝子工学博士の村上和雄氏はおっしゃています。
まだ使われていない部分の脳のスイッチが
入れば、可能性は無限大だと。

そのスイッチの入れ方のヒントを掴めるのが、
この映画だと思います。

もし自分が、
もし自分の大切なひとが、
突然の事故や、脳内出血による脳の損傷で、
意識のない状態になってしまったら。。。

このことを知っているのと知らないのでは、
その後の人生が大きく変わります。

1人でも多くの方が、
特に医療や介護に関わる方が、この映画を
見て下さればいいなと願います。
(守田のり子さん)

初出:映画「僕のうしろに道はできる」ご感想、メッセージをお寄せくださいのコメントより


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